なめとんのかい戦国オールスター、宮城谷版大甲子園とでも言うのだろうか。最初のうちはまだしも商鞅が出てきた頃から読むのがつらくなった。そして蘇秦張儀が出てきた所でもう読む気が無くなった(と言いつつ一応最後まで読んだのだが)いくらなんでもやり過ぎだろう。なめとんのかい。この小説の欠点として良く「小説のタイトルを『孟嘗君』じゃなくて『白圭』にすべきだろ」と言われる。それ自体には賛成だが、別にそれは欠点ではない。あと最後にいきなり孟嘗君を擁護するために司馬遷私怨説を唱えるのにもずっこけた。
嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。