清帝国草創のドラマ満州で勢力を得た女真族の国、清。その一族を率いて、山海関を越え中国全土制圧をなしとげ大清帝国の礎を築き、37歳で逝去したドルゴンを描いた佳品。彼の幼少時から筆を解き起こされていて、大帝国の草創期が一人の人物から見通せる史劇のよき小品です。
太祖ホンタイジに仕え、その没後は摂政として幼い世祖を補佐し、清の基礎を築いた「聡明王」ドルゴン。満州の長ヌルハチの子として八旗を束ね、李自成軍を山海関で討ち取り、中華統一を果たした男の胸のうちには、母を殺され、力強く空を翔る鷹に憧れた幼い日の想いがあった。ぬきんでた知性で、時代を支える柱となった知将の生涯を描く。