 ジョン・ローン 発売日:2001/06/21 価格  紫禁城を訪れて思うこと。心に残り続ける映画です。一度きりしか観ていないのに、鮮明に場面を思い出せる類の映画だと思います。まあ、一度観るともう一度観たくなるので、私はもう何度も観ていますが。しかし、何度観ても思うのは、力の入った映画だなぁ、ということです。ひたすら打ち込んで作りました、という感じが噴出していて、いい映画だなと観る度に思います。 印象的なシーンは最後のシーン。観光名所となった紫禁城でガイドが言うセリフです。たったそれだけの言葉で片付けられる薄儀の人生。自分も紫禁城を訪れた時、なにも知らずその言葉を聞き流しました。そしてなにも感じることなく紫禁城を後にしてしまったことに、この映画を観て後悔しました。歴史を勉強する事って大切なんだなぁ、ということまで、教えてくれた素晴らしい映画でした。中国、特に古宮博物館に行く予定のある人は絶対に見た方がいいです。紫禁城を前にした時の感動が全く違うでしょうから。
中国清朝最後の皇帝であり、その後満州国皇帝として時の侵略国・日本の傀儡(かいらい)ともなった溥儀(ジョン・ローン)の数奇な運命を描いた超大作。イタリア映画界の巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督による西洋と東洋のぶつかりあいを描くオリエンタル路線の第1作でもある。
世界初の紫禁城ロケなどヴィットリオ・ストラーロ撮影監督による壮大華麗な映像美や、坂本龍一(出演も)ほかによる栄枯盛衰のロマンティシズムみなぎる音楽、さらにはベルトルッチ監督の代表作『1900年』さながら、コオロギを用いてラストでひとりの男の生涯を円のように包み込む秀逸な脚本構成などなど、終わってしまうのが惜しいかのような傑作である。アカデミー賞では作品、監督、脚色、撮影、美術、衣裳デザイン、編集、作曲、録音の9部門を制覇。劇場公開版は163分(日本初公開時には、さらに南京大虐殺のドキュメント・シーンがカットされた)。後にオリジナル・ノーカット版219分版がLDでリリースされた。(的田也寸志) |