春秋戦国の知恵はおおいに参考になる晋の文公の覇業は、放浪時代から付き従った、政治や軍事の分野に秀でた臣下がいたからこそでなのでしょうが、中でも介子推の身の退き方に胸を打たれ、感慨深いものを感じました。後半は、伍子しょや孫武(孫子)の活躍を中心として楚、呉、越の興亡を楽しめます。宮廷において、外交において、戦において、繰り広げられるかけひきは、現代の私たちにも大いに参考になるものと感じます。
中原の覇者たらんとして、諸国の王たちは虎視眈眈。強大国、弱小国それぞれの立場で権謀術数の限りが尽くされる。非情で酷薄なこの時代には、骨肉の情すら許されない。そして王たちの政治学の拠りどころとなる諸子百家がにぎにぎしく登場するが、彼らの運命も時勢に翻弄される!乱世最高潮の巻。(全3冊)