大唐帝国の歴史を楽しく 隋の煬帝の死後、大唐帝国がはじまり太宗や武則天、玄宗皇帝と楊貴妃らが活躍する中國史上でも最も華麗な時代を扱った名著です。著者の筆致も心なしか冴えているように感じられます。『旧唐書』や『新唐書』などを原文で読むのが難しいという若い世代の人々にオススメします。けれど、あくまでも小説家が書き下ろした読本としての文章なので、出来ることならば、漢籍の「正史」ないし『十八史略』を繙いてみて頂きたいとは存じますれど...。
隋の煬帝(ようだい)とは従兄弟(いとこ)、北朝の名門・季淵が挙兵した次男季世民の活躍で無血の政権獲得に成功。唐王朝がうぶ声をあげた。女帝武則天の周をはさんで、絢爛たる時代が花ひらく。玄宗皇帝の宮廷に楊貴妃の笑声が、乱舞する美女群の嬌声が、弦歌の音色とともにこだまする――中国史の醍醐味の極みを描く。〈全6巻〉