聖徳太子(1)
聖徳太子の人物像をすぐに知れるものではないが、
当時の日本の外交政策や聖徳太子がどのように日本をつくろうとしていたかを探る導入部分。
高句麗、百済、随などの歴史についてもおそらく、
他の本より詳しく論じられているのではないかと思う。
そして、様々な史料の比較も怠っていないので、
自分の思うところも比較しながら読み進めるものだと思う。
作者は強い信念をもって書いてはいるが、史料を多角的に検討、比較して
より矛盾のないものを正論として考えるあたりは、
客観的に歴史を捉えていて作者に影響される部分は少なく、
聖徳太子の時代の日本のみならず、中国、朝鮮にも興味をわかせる作品になっている。