読むペースが速くなってきた。
この巻の主人公は経清の息子清衛である。
まったくのフィクションなら、10〜20代の青年期に彼が活躍するように作るのだろうが,
清衛の場合はなんと35歳になって初めてその正体を現す。
その忍従,経清の妻結有にはさらに当てはまる。
人間の執念というものはここまで凄いものかと思う。そしてその運命のなんと哀しいことか。
義家もなかなか面白いキャラクターとして登場している。
この巻に至って、真の主人公は既に「歴史」と「東北の土地」に移っていっているように思える。
本当はもっとゆっくりしたペースで読みたいと思っていた。
しかし、小説としての面白さがそれを許さない。最終巻の義経編楽しみである。