人間の業と真剣にむきあった一人の人。室町時代、日本の中世は戦乱につぐ戦乱。人は戦わずにはいられない生き物なのか。。人を憎まずにはいられないのか。。それが人間の業なら、それをただ形式的に封じ込めるのではなく、まずはそれとしっかり向き合い、受け止め生きていくしかないのでは。。形式的な仏教権威・権力の偽善をせせらわらい、人間の業に一人で向合い生きていった孤独な僧・一休の「ナマの生」に思わずひき込まれました。作者の目は人間に対して冷徹です。人間の愚かさを何度となく見せ付けられます。でも、人間を徹底的に否定するニヒリストではありません。むしろ、人が好きだからこそ、人間を直視し、人間の弱さから逃げてはいけない、と感じられていたのかもしれません。勝手な想像ですが。。とにかく、作者の人間に対する!かい目を感じ取れます。絵も臨場感が素晴らしいです。馬の嘶き、戦場の叫びが聞こえてくるかのようです。中世の歴史のこと、興味の無い人でも、戦国時代が好きな人にもオススメです。戦国に繋がる世の背景も描写されていますから。作者がもうお亡くなりなった事が残念でなりません。。