小説などで学ぶ、

日本史・世界史
面白いだけではない、
読めば身になる歴史関係の小説・マンガ等紹介!
歴史の勉強は、暗記ではつまらない。
教科書に載っている、歴史は薄っぺらだ。
学校の歴史の授業は、眠くなる。
歴史はテスト前の一夜漬けで済ませてしまい、
全然頭に残っていない。
などなど、そう思っている人に
読めば頭に入って忘れなくなる歴史関係書物を紹介しています。
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日本歴史 室町時代 足利尊氏
北方 謙三
発売日:1993/08
価格
すごい皇子
 時は、大勢が北朝に決しようとしている14世紀後半。わずかのお供と九州・鹿児島に上陸した後醍醐帝の皇子・牧宮こと懐良親王は、わずかな南朝支持者の武将や領主の支持を受け、彼らを糾合し、強大な北朝に挑む。 安穏な生活に浸っていたイメージのある「皇子」という身分だが、かも勇ましく戦闘をする姿は、天皇による武力行使が行われたあの時代ならではの事だなあと思いました。

鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、
北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。
しかし、吉野に逃れて南朝を開いた天皇は、京の奪回を試み、各地で反撃を開始する。
天皇の皇子・懐良は、全権を持つ征西大将軍として、
忽那島の戦を皮切りに、九州征討と統一をめざす。
懐良の胸中にある統一後の壮大な『夢』とは―。
新しい視点と文体で描く、著者初の歴史長編。
あまなつ同じレイアウトで作成


北方 謙三
発売日:1993/08
価格
敗者も勝者もない歴史
大保原の戦いに勝ち、束の間の平穏に我が身を振り返る懐良親王。一方で不遜なまでの重厚感をもって読者を魅了した、主人公懐良親王最大の敵たる少弐頼尚は、大保原の戦いに敗れ、心静かに少弐氏の行く末へ瞳を凝らしていきます。ここに勝者と敗者の対比はなく、互いの胸に去来する戦の後の現実の重みが、ぐっと読み手の心にも圧し掛かってくるのです。大保原を境とした下巻の戦では、上巻で九州の統一に向けて着々と勝ち進んできた戦とはやや違った趣きが感じられます。それもそのはず。幾多の戦を経て、多くの人物と関わったからこそ懐良が至った無限の夢は、帝の皇子としての使命を負って戦に駆り立てられた頃とは異なっているのです。その夢を理解しそれに賭ける覚悟を決めた菊地武光と五頼治。武士と公家、立場は異なる二人が、懐良を想うがゆえその夢に抱く一抹の懸念と、互いの中に似たものを感じひとつの想いを通わせるシーンに心が震えます。そして、時との闘い。それは老いも含めて懐良と周辺の人々を時折苛み、戦に付き纏う死の気配も徐々に濃厚になっていきます。敵との戦いから己との闘いへ、終幕へ向かう緩やかな展開は、戦闘シーンの躍動感とは打って変わった寂とした緊張感で満たされていて、一文一文の繊細な描写に読者の覚悟も促されます。そんな中で迎え撃つ新たな敵の登場。九州探題・今川了俊は少弐頼尚とはまたタイプの違う鋭い眼を以って懐良の動向を見据え、時を読み時勢をシビアに捉え、足利一門としての己を崩さず、懐良に挑みかかります。無限を夢見る懐良の翼!生えた羽根がひとつひとつもぎ取られるように、少しずつ勢いを失ってゆく征西府。懐良の夢に触れさせるまいと奮戦する武光を突如襲う死。武光という友の死が告げる、ひとつの時の終わり‥‥。けれど懐良は、時の流れに翻弄されたのではありません。想いを繋ぐ者、想いを受け止め支える者、それら多くの人々に導かれて、懐良は新たな道へと旅立つのです。哀愁の中にもなにか清々しい余韻を残すラストに、悲しみはありません。ひとつの時代を懸命に生きた男たちの夢がまだ水面に漂っているようで、心にしみわたりました。

懐良は肥後の名将・菊池武光と結び、悲願の九州統一を果たした。
そして大宰府を征西府の拠点とし、朝鮮半島の高麗や中国大陸の明と接触することで、
全く新しい独立国家の建設を夢見る。
しかし、足利幕府から九州探題に任ぜられた今川了俊は、
懐良の野望を打ち崩すべく、執拗に軍を進めた―。
二十数年にわたる男の夢と友情のドラマを、ダイナミックに描いた一大叙事詩の完結。
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北方 謙三
発売日:1999/02
価格
これぞ文学なり
 一筋縄ではいかない人物を描くことが「小説」ならば、南北朝時代を生きた武将こそ格好の材料ではないだろうか。帝が二人いる。骨肉相争う。そうした複雑な情況のなかでは、人々の葛藤にも凄味がある。 本書は、有名な“ばさら大名”佐々木道誉を主人公にした異色作。北方氏には『破軍の星』など南北朝ものを扱った作品がいくつかあるが、個人的には本作が一番しっくりきた。破天荒な道誉の生き様が、とにかくかっこいい。男気あふれる言動にはしびれる。「ばさらとは何か」と訊かれ、「己の生を毀(こわ)すこと」と答える道誉。なかなか言えるセリフではない。足利尊氏に対し、付かず離れずの距離感もまたいい。 脇を固める人間たちも魅力的だ。何事も折り目正しい弟・直義とちがい、どこか非情に徹しきれない尊氏の人物造形も読ませる。戦乱につづく戦乱のなかで、武士たちは時に虚無感にさいなまれる。自らの信念が揺らぐこともある。無常と知りつつ、舞をまったり、笛を吹いたりもする。その人間臭さが、物語の隅々から伝わってきて決して飽きることがない。 物語上、詳しくは描かれなかったが、敵方の楠木正成の生き方も見事だ。後醍醐帝の勅命に逆らえず、負け戦と分かっていながら突っ込み戦死した。男には、敗れると分かっていても戦わねばならぬ時がある。北方氏の、そんなメッセージが込められているのかも知れない。 この複雑な時代を選び、かつ水準以上の作品を書きえた氏には敬意を表したい。それと今さら言うまでもないが、文章は簡潔で力強い。(下巻のレビューも含む) 

「毀すこと、それがばさら」―六波羅探題を攻め滅ぼした足利高氏(尊氏)と、政事を自らつかさどる後醍醐帝との暗闘が風雲急を告げる中、「ばさら大名」佐々木道誉は数々の狼藉を働きながら、時代を、そして尊氏の心中を読んでいた。帝が二人立つ混迷の世で、尊氏の天下獲りを支え、しかし決して同心を口にしなかった道誉が、毀そうとしたものとは…。渾身の歴史巨篇。統一という夢を追った男たちの戦いを描く、『武王の門』続編。
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北方 謙三
発売日:1999/02
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室町幕府の権力を二分する、足利尊氏・高師直派と尊氏の実弟直義派との抗争は、もはや避けられない情勢となった。両派と南朝を睨みながら、利害を計算し離合集散する武将たち。熾烈極まる骨肉の争いに、将軍尊氏はなぜ佐々木道誉を必要としたのか。そして、道誉は人間尊氏に何を見ていたのか。「ばさら大平記」堂々の完結。
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